本日多くの県では緊急事態宣言解除となるようですが、コロナ自粛を機に、わたしはすっかり本の虫になってしまいました。(やっと本屋さんにいける)
最近、本を読んでいる時間と同じくらい、本を探している時間が楽しい。欲をいえば、はやく本屋さんに行きたい。
— 三好優実/編集者・ライター (@MinoruOffice) 2020年5月12日
そんなわたしですが、自粛中に浮き彫りになったフェチがあるんです。それは「書評」フェチ。書評を見て本を買う率の高さしかり(前回読んだ読書本で紹介された本、合計8冊の本を購入してしまうくらい)、Amazonレビューに関しては、本を買う前はもちろん、読み終わった後にいろんな人と感性の交換的な形で、楽しませていただいてます(本の話できる友達いないだけ)。
でもよくよく見てみると、レビューって数行読んだだけで「買う!」ってなるものと、「この人のレビューはあてにならないかも(読書レベルが違う)」ってなるものがあるんですよね。
ほら、twitterのリプ欄とかでも、秀逸なコメント書いてる人はリツイートされてたりするじゃないですか。共感する文章と、違う世界にいるのかな?という文章。それって、物事を解釈する時の感度とか、それを言語化する時の客観性とかのスキルなのかなって思ったんですよ。それ磨きたいなって思いました。
そんなことを考えてるタイミングで、Amazonがレコメンドでこちらを提案してきました。即買っちゃいましたよね。
もともと、著者の印南敦史さんは東洋経済オンラインでフォローしている程度にファンだったのですが、経歴を見たら、すごい。
書評を出すたびAmazonランキングが急上昇する人気の書評家である。
書評家としてこれ以上ない実績だ・・。
でね、読みやすいので1日で読んじゃったんですけど、この本はただの書評テクニック本ではなく、3つのことが書かれてありました。
・書評の仕事について
・書評のテクニックについて
・本の読み方について
・本の選び方について
・書くことについて
・生き方について
あれ?3つじゃなかった(書いてるうちに増えた)。まあいいか。6つでした。この6つプラス、さすが書評家なんですけど、本の中でかる〜くお気に入りの本や影響を受けた本なんかを紹介してくださっているんですが、買っちゃいましたよね。それを分析するのもまた面白い。
6つの中に「生き方」とありますが、書評=生き方?なに?って思うかもしれません。たとえば、こんな一文です。
書評家が思う「おもしろい本」にて
「この本、おもしろいなぁ。どうやったらこういう発想が生まれるんだろう」
「この人バカじゃないの?けどそんなところがたまらなく好きだ」
たとえばこんなことを感じさせてくれる本を書く人は、やはりそのバックグラウンドにある人生、あるいはそこで培われた人間性に魅力があるのです。
わたしが書く仕事をしているからかもしれません。この一文を読み、己の人生、しっかり起こったことに向き合い、見た景色を自分の言葉と感情で解釈していこうという気持ちになったのです。文章という仕事は、自分の人生が浮き彫りになるのだということへの覚悟だなぁとか。
あと、この本の中で一番、わたしに影響を与えた言葉があります。
いい感じに書こうとしたなら書けなくて当然。でも「書かずにはいられない何か」があるのに書けないのは、細かなところに執着しすぎたか、自身の本当の気持ちをつかみきれていないかだ。
なにかの本に書いてあった内容を印南さんが要約してくれた一文なのですが、これは書く仕事をする身として、とても刺さりました。むしろ、今の悩みを解消してくれました。
掴み切るまで、しっかり悩みぬくこと。「書けない書けない」と言っていないで、取材や記事の中身に対して動いた自分の気持ちの答えを見つけなさいよと、お叱りを受けた気持ちになりました。
年々叱られにくくなってくるので、叱られる場というのを積極的につくらんとなぁとか、いろんな読後感に満たされる本となりました。
あとやっぱり読めば読むほど、書評(レビュー)が上手い人ってつまり『自分が良いと思ったものの良さをしっかり伝えることができ、なおかつ行動に移させる達人』なんですよ。こんなスキル、わたしのようなライターや編集者はもちろん、営業職やデザイナー、広告業にもめちゃくちゃ大事なやつじゃないですか。つまり、どう転んでも生きていけるスキルなんだって。
書く仕事、だけじゃなく、思いが人に伝わりにくい、魅力を最大限伝えたいという方にもおすすめです。あとメールが長くなりがちな人にもおすすめ。
※ちなみに、当ブログは「ですます」など含む表記統一を一切おこなっておりません。いつもは読書感想は「だである」口調なのですが 、今回はですますです。(気分です)