ふりぃらんす

沖縄フリーランス編集者兼ライター「実Office」のブログです。主に、フリーランス・移住・地方活性化・人・グルメに焦点をあてて活動しております。

なぜこんなにも、ひとつの漫画にはまってしまったのか

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漫画「静かなるドン」にはまり、108巻まである大作を、私は2回読み切り、今3周目に突入しています。

 

しかも、期間をあけずに。

 

こんなに何かにハマったことがないので、なぜこんなにも静かなるドンに魅力されてしまうのかを考えてみました。

 

「静かなるドン」ストーリーを知らない方に簡単に説明すると、ヤクザのドンでありながら素性を隠してサラリーマンの仕事をする少年の話。2代目である父の死により、3代目ドンになったわけですが、争いを好まないことから「静かなるドン」と言われています。

 

ヤクザ漫画であり、破壊力と権力を持って生まれたけれど、なによりも素朴を愛し、人を傷つけることを拒絶する心の優しい人間のはなしです。

 

私は、昔から「権力」を持った人間の変化を観察する癖がありました。

 

初めてスナックでアルバイトをしたとき、権力とお金で変わってしまう人たち、逆に権力を持っているけど謙虚な人、権力を武器にする人、権力は弱いものを守るときにのみ使う人、いろんな人がいることを知りました。

 

有名なスタンフォード大学の監獄実験では、権力で看守役の人は恐ろしい人格に変貌しました。

 

心理学者がいながらの実験が、たった6日間で中止になったことを考えると、人は権力を手にすると、他人を見下したり支配しようとする、というのがオーソドックスなのかもしれません。

 

もしそうだとしたら、オーソドックスじゃない人間になるにはどうすればいいか?きっと、揺るがない人格、誠実さを身に付けることだと思うのです。

 

前置きが長くなりましたが、そういった本能にも揺さぶられない「人格者」になりたいのです。人間が本来持つ弱さと戦う方法が知りたい。

 

それには「静かなるドン」は、何度読んでも学ぶことばかりなのです。

 

まず、主人公とヒロインの関係性。かなりの人格者かつ平和主義でありながら、やはり環境が環境だけに、憎しみベースの決断をしてしまうこともある主人公。

 

だけれど、いつも彼のことを想い、優しさに満ちたヒロインの言葉で目を覚まします。

 

そしてそのヒロインがすごい。全108巻あるだけあって、全108巻のあいだにどんどん地位も名誉も手に入れて、度胸と賢さは著しく成長を遂げるんですが、ピュアさと優しさだけは何ひとつ変わらないんです。それってとても、すごいこと。そして、一番目指したい憧れの女性像。

 

逆に、地位と名誉のために生きているのに、何も手に入らずに人望ばかりを失っていくキャラクターもいます。地位と名誉で変化する人も、地位と名誉を捨てて愛に生きる人も、ただただ他人のために生きる人も、自分の信念のためなら命を捨ててしまう人も、優しいのに冷たく振る舞う人も、いろんな人がいる。

 

面白いのは、いろんな人がいる中で、いろんな人の受け入れ方を学ぶことができること。例えば裏切り続ける部下を、主人公は何度も何度も許しますが、最後の方で主人公は、その部下の無能さに救われる場面があります。いろんな人をいろんな方法で、好きになれる漫画なんです。

 

あと、喧嘩シーンも多めのヤクザ漫画でありながら、愛を大事に決断をする主人公、あとなにより愛によってどんどんいい男になってゆく主人公を見ていると、わりと少女漫画的な要素もあるのかも?という気がしてきます。かなり、大人向けにはなるけれど。

 

2周終わったので、今3周目に突入していますが、最後を読んだあとすぐに、1巻を読むと「そうか、最初はこんなだったよなぁ。みんながみんなを影響しあって、108巻のあれになるんだ。。」みたいな感慨深さもたのしみつつ。こんな風に人間を描写し続けられる新田たつお先生、凄すぎるなぁと思いつつ。

 

また今回も読み切るのだとおもいます。ほんと、ハマるから読んだことない人は是非読んでほしいです。

 

静かなるドン1

静かなるドン1